美容業界のいま

 今回は、昭和生まれの一般人からみた社会と美容業界のいままでについてお話しします。

 我が家が、神戸市北区で開業した時代は高度経済成長期からバブル景気を迎える時代で、一般の女性がオシャレな服装や髪型にお金を使うようになった時代でした。
 バブル経済の絶頂期には、カリスマ美容師と呼ばれる美容師さんの出現や、サロン経営に注力し一大チェーン店を作り上げた美容師さんも生まれました。我が家でも、地域の主婦さんを中心に常連さんが一番多かった時期にあたります。
 その後のバブル崩壊を受けて、社会では経済格差が鮮明になり共働き世帯の増加や未婚世帯の増加が始まりました。それまで自宅近くの美容院に通っていた主婦さんも、仕事に出るようになり職場近くのサロンに移る方が出始めました。
 またスマートフォンの普及とITによる情報化社会を迎えて、上手に情報発信が出来るサロンと情報検索が出来る若いお客様が地域を超えて繋がれるようになり、「住居の近くにある美容室」のメリットは薄れてきました。
 その結果、我が家ではお客さんの世代交代が上手くいかず高齢化につながり、ひいてはお客さんの減少を迎えています。

 現在の美容業界は、都市部においては高い技術やデザインセンス等で差別化に成功した高級店と、立地の利便性と低価格を武器に出店を続けるチェーン店の二極化が進んでいます。
また住宅地立地の店舗については、地域住民の世代交代が上手く行っており一定数の若年世帯が住んでいる地域では成功しているようです。
 とは言え約55,800のコンビニ(2023年9月)や約67,500件の歯科医院(2023年1月)と比べて、圧倒的に多い約269,900件の美容業界では熾烈な生存競争が続いています。

 ※次回は、そんな美容業界と高齢化社会における訪問美容の役割についてお話しします。

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